クトゥルフ神話を題材にした協力系ボードゲーム「エルドリッチホラー」をプレイしました。
プレイ時間が長めですが、TRPGっぽくて面白いです。
通算30回くらいプレイし、基本セットのボス(エンシェントワン)4体をクリア、拡張セット「失われた知識」を入れた状態で基本セットのボス+拡張のボスをクリアしたのでレビューします。
拡張セット「失われた知識」のレビューも書きました。
→エルドリッチホラー拡張セット・失われた知識レビュー
エルドリッチホラーのゲーム内容
ゲームの目的
プレイヤーが協力して世界中のクエストを解決し、邪神復活を阻止する協力系ゲームです。
現実世界が舞台で東京や南極といった地名が出てきますが、呪文などもあり、現実とファンタジーがまざったような世界観です。
世界を旅するだけあって、ゲームボードが大きいです。
ゲームボードのサイズは56cm×84cm。
アンドールの伝説と同じサイズですが、ゲームボードの周りに置くトークンやカード類が多いため、アンドールの伝説より場所を取ります。
机の上に乗りきらなくて、ゲームボードに重ねてキャラクターシートを置くことに……。
探索者(キャラクター)は12人
探索者(プレイヤーキャラクター)は12人いて、好きなキャラを選んでプレイできます。
探索者ごとに能力値や初期所持品、特殊能力(固有アクション)に差があります。
能力値は知識、影響力、観察力、筋力、意志力の5種類。
ボスとの相性もあるので、ボスにあった探索者を選ぶのが大事。
↑わたしの好きな脳筋系魔術師のダイアナさん。
ボス(エンシェントワン)は4種類
エルドリッチホラーには、4種類のボス(エンシェントワン)がいて、ゲーム開始前に選びます。
エンシェントワンごとにクエスト内容や、ラウンドの最後にある神話フェーズで発生する効果などが異なります。
シュブ=ニグラスは戦闘中心、ヨグ=ソトースは呪文中心のプレイになるなど、エンシェントワンによってプレイ内容も変わるので新鮮な気持ちでプレイできます。
難易度はかんたんな順にアザトース>シュブ=ニグラス>ヨグ=ソトース>クトゥルフ。
エンシェントワンシートの左上に書いてある破滅の数字が大きいものほど簡単になっています。
ルールブックに書いてある通り、初回プレイはアザトースがおすすめです。
エルドリッチホラーの進め方
つぎの3フェーズからなるラウンドを繰り返していきます。
- アクションフェイズ
- 遭遇フェイズ
- 神話フェイズ
エンシェントワンごとにクエストカードが4種類あり、エンシェントワン復活前に3種類をクリアするとゲームクリアになります。
(エンシェントワンが復活した場合は追加クエストが発生する場合があります)
アクションフェイズ
アクションフェイズでは、プレイヤーごとに6つのアクションから2つまで実行できます。
- 移動
- 休息
- トレード
- 旅行チケットの入手(都市のみ)
- 助力カードの入手(都市のみ)
- 所持品(アイテム・呪文など)やキャラクター固有のアクションを使う
同じアクションは2回つづけて選択できないので、移動は計画性が必要です。
助力カードの入手アクションでは戦闘で使える武器や、能力値にプラス補正がつくアイテムなどがもらえます。
エルドリッチホラーではTRPGっぽく、ダイスを振っての能力値判定もあります。
基本的に判定に使う能力値の数値=振れるダイスの数で、ダイスの目が5か6なら成功。
判定によっては、マイナス補正がついて振れるダイスの数が減ることもあります。
素の能力値だと成功しづらい場合もあるので、助力カードでキャラクターを強化していくのが重要になります。
ただし助力カードの入手にも影響力による能力判定があり、効果が高いものは入手が難しくなっています。
遭遇フェイズ
全プレイヤーのアクションが終わると遭遇フェイズになります。
今いるマスに対応した遭遇カードを引き、クエスト解決に必要なクルートークンを入手したり、能力値のレベルアップをしたりできます。
モンスターと同じマスにいる場合は、戦闘が発生します。
遭遇カードにはたいてい能力値判定があり、失敗すると体力や正気度が減ったり、状態異常になったりします。
状態カードは36枚もあって、ヤバい効果がてんこもり。(いい効果の状態もあります)
種別が狂気の状態カードが多いところがクトゥルフっぽい!
探検トークンがあるマスで探検遭遇すると、アーティファクトという強力なアイテムが見つかることもあります。
神話フェイズ
神話カードを引いて、カードに書かれている内容が発生します。
たいていよくないことが起こります。
破滅トークンのカウントが進んで邪神が復活しそうになったり、ゲートが出現してモンスターが出てきたり……。
アクション・遭遇フェイズがプレイヤーのターンなら、神話フェイズは敵のターンという感じ。
でも神話フェイズの終わりにはイベントが発生し、よい状態異常になったり、アイテムが増えたりすることもあります。
エルドリッチホラーをプレイした感想
リプレイ性が高い
アンドールの伝説やマイス&ミスティクスみたいにシナリオを追っていくタイプではないので1度クリアしたら終わりではなく、何回でもプレイできます。
能力値判定の成否によって結果が変わったり、神話カードの組み合わせで毎回発生するイベントが異なるので複数回プレイしても飽きないです。
拡張セットもいっぱい出ているので、ハマれば一生プレイできます。
ストーリー性はないものの、フレーバーテキストはたっぷりあるので雰囲気にひたれるところもよいです。
ただフレーバーテキストをぜんぶ読みたい派と、フレーバーはすっとばしてプレイだけしたい派が混ざるとちょっと大変かもしれません。
うちはフレーバーテキストは毎回読んでいます。
ダイスの目に阿鼻叫喚するのが楽しい
毎ラウンドなにかしらの能力値判定があります。
判定に失敗するとたいていひどい目にあうので、ダイスを振るたびにドキドキできます。
能力値判定はどれだけ能力値が低くても3分の1の確率で成功するので、意外とダイス1個でも成功することも。
逆にダイスを5個も振れるから余裕だな! と思っていたら全失敗したり。
最善をつくしつつも、ダイス運に翻弄されるところがTRPGっぽくて楽しいです。
ホラー要素はゼロ。ホラー苦手でも楽しめる
エルドリッチホラーという名前ですが、ホラー要素はゼロです。
クトゥルフ神話TRPGのイメージでプレイすると、アレっとなるかも。
わたしはホラーが苦手でクトゥルフ原作も読んだことがないのですが、かなり楽しんでいます。
プレイ人数は1人~8人と幅が広い
プレイ人数は1~8人と幅が広いです。
ただし3人プレイでも3時間~4時間くらいかかるので、大人数プレイは丸1日かかる覚悟が必要です。
ソロプレイは重ゲー大好きな自分でも、重すぎたため1回しかやっていません。
エルドリッチホラーで気になったところ
エラッタが多い
ルールブックやカードにエラッタ(誤記や表記抜けなど)が多いので、遊ぶ前に必ず公式サイトで確認してください。
1回説明書を読む→エラッタを確認→もう1回説明書を読むぐらいでちょうどいいです。
プレイ中でも迷ったら確認するとよいです。
公式で発表されていないエラッタもあります。
こちらはまとめてくれているサイトがあるので、こっちもチェック。
エルドリッチホラー 日本語版 非公式エラッタ
また、エラッタではないけど訳がわかりにくい部分もあります。
たとえば女優ローラの固有能力に「ローラと同じマスにいる探索者1人は、能力判定の際にダイスを1個追加で振ることができる。」というものがあります。
そのまま読むとローラ自身には効果がないように見えますが、実際はローラ自身にも適用されます。(リファレンスに記載)
キャラクターの能力に関してはキャラクターシートよりリファレンスを見た方がよいです。
奇数人数の難易度が高すぎる(回避策あり)
もともとエルドリッチホラーは難易度が高めなのですが、探索者が奇数人数だとさらに難易度があがり、けっこう無理ゲー感があります。
プレイヤー人数が奇数の場合は、1人が2役プレイするなどして探索者を偶数人数にするのを推奨します。
うちはプレイヤー3人/探索者4人でプレイしています。
エルドリッチホラーの感想まとめ
高難易度で知られているゲームですが、プレイした感じそんなに難しくはないかなーと思いました。
能力値判定に運要素があるぶん、1手間違ったら全滅ということはなく、わりと余裕をもってバランス調整されています。
助力カードでダイスを1個振りなおせたり、出目を+1したりして運要素を下げることもできますし、ゲートや噂カードを放置しなければそんなに簡単にゲームオーバーにはなりません。
とはいえヨグ=ソトースとクトゥルフはまだ未プレイなので、これから苦労するかも。
強いボスはスペシャルイベントカードという特別なカードが増えるんですよね。
2019/1/1追記:
最初にプレイした時は助力カードの引きもダイス運も良すぎたため、その後プレイしたらふつうに難しかったです。
ヨグ=ソトースは3人プレイで4連敗くらいして、まったく勝てる気がしませんでした。
(その後、探索者を4人にしてクリアしました)
初見ではなかなかクリアできないので、「各エンシェントワンに1回ずつ勝利する」というのでも10回以上はゲームをプレイしました。
アンドールの伝説と比べると、ストーリー性ダウン・リプレイ性アップといった感じ。
遊ぶのにかなり広いスペースが必要なのと、1回のプレイ時間が長い(3時間くらい)ので、家でじっくりプレイするのに向いています。
協力ゲーム、ダイスゲームが好きな人なら原作を知らなくても楽しめますよ。