カメラ初心者の鬼門、それは薄暗い室内での撮影。
光量を増やそうとしてシャッタースピードを下げると手ブレするし、屋内だと三脚利用禁止なところが多いし……。
私が使っている一眼レフカメラは「EOS Kiss X3」。
16年も前に発売された入門機……ということで、現代からみると、かなり低スペック。
暗いところの撮影には向いていません。
こちらが、薄暗い店内で撮影した写真。
真っ暗で、なにも見えねぇ!
何が写っているでしょう?こちらが同じ写真を、RAW現像で明るさを調整したもの。
ホンドタヌキでした意外と、いい感じじゃない?
体の部分はかなり画質が悪くなってしまっているけど、ピントの合っている顔の部分は比較的しっかりと写っています。
写真作品として撮るとか印刷したいとかだと画質が物足りないかもしれないけど、本文の補足としてブログに載せるぐらいだったら、問題なさそう。
RAW現像に必要なもの
- RAW形式で保存できるカメラ
- SDカード(必要に応じて)
- RAW現像ソフト
- パソコン
まずはカメラ本体の設定から、保存形式をRAWにして写真を撮ります。
EOS Kiss X3だと「RAW+JPG」というRAWファイルとJPGファイル両方で保存できる設定がありました。
RAW形式で保存すると画像サイズが大きくなるので、必要に応じてSDカードなどを買っておきます。
JPG形式だと5MBの写真が、RAW形式だと20MBと約4倍になりました。
EOS Kiss X3は古いカメラゆえ、大容量のSDカード(SDXC)には対応していません。
古いカメラをお使いの方は、購入前に自分のカメラに対応しているSDカードを確認してから買いましょう。(1敗)
↓こちらが今回買った32GBのSDカード。(SDHC)
「RAW+JPG」の両方で保存しても、1000枚近く撮れました。
↓SDXC対応機種なら、大容量(SDXC)の方がコスパよいです。
RAW現像ソフトは無料で使える「RAW Therapee」にしました。
無料のRAW現像ソフトとして1番メジャーっぽいし、メジャーなソフトの方が情報も集まりやすいので素直に有名どころを使っておけばいいと思います。
最初は露光とノイズ軽減を覚えればOK
RAW現像ソフトはいろいろなことができます。
いろいろ出来すぎて、使いこなすのは難しいです。
最初は露光調整とノイズ軽減ぐらいから始めると、とっつきやすいです。
RAW Therapeeで露光調整する方法
RAW Therapeeを立ち上げ、左メニューから画像のあるフォルダを選択します。
フォルダを選択すると、そのフォルダにある写真のサムネイルが中央に表示されます。

写真がいっぱいある場合、サムネイル表示されるのに時間がかかるのでしばらく待ちましょう。
JPGファイルとRAWファイル両方表示されてしまいますが、拡張子がJPGじゃないのがRAWファイル。
RAWファイルの拡張子は、メーカーによって違うみたい。
EOS Kiss X3では「.CR2」で保存されます。
なんで.RAWで統一してくれなかった。
中央のサムネイルから、修正したい写真をダブルクリックします。
右側のツールタブから露光を選ぶと、露光の調整コマンドが表示されます。
項目名の左にある電源ボタンをクリックすると、設定した内容のON・OFFができます。
とりあえず調整してみて、やっぱり要らないとなったらOFFにすれば元に戻ります。
簡単に明るさを調整するなら、L*a*b*調整をONにします。
画像全体の明度・コントラスト・色度(彩度)を調整できます。
| 明度 | あげると画像が明るくなり、暗いところが見えるようになる。 |
|---|---|
| コントラスト | あげると明るいところと暗いところの差がハッキリする。 |
| 色度 | あげると色が鮮やかになり、低くするとグレーに近づく。 |
細かく調整したいなら、トーンイコライザ。
写真を暗いところ・中間トーン・明るいところなどに分けて、それぞれの部分だけ明るさを変えられます。
全体の明るさをあげると明るいところが白飛びしてしまうという場合は、トーンイコライザで暗い部分だけ明るさをあげるとよいです。
RAW Therapeeでノイズ低減する方法
ただ露光調整しただけだと、無理に明るさをあげているので、ノイズがかなり発生しています。
ディテールタブからノイズ低減をオンにします。

ノイズ低減の効果は、画像をアップにしないとわかりにくいです。
プレビュー画面でマウスホイールしてズームにすると、効果がわかりやすいです。
ノイズ低減は画像をぼかすことで、ノイズをごまかしています。
ノイズ低減を強くすると、ノイズが目立たなくなる代わりにシャープさが失われ、ぼんやりとした画像になります。
上の写真のノイズ低減の設定例です。
| モード | 積極的 |
|---|---|
| ガンマ | 1.00 |
| 輝度 | 80.00 |
| 輝度 細部の復元 | 60.00 |
RAW Therapeeでファイルを書き出し&保存する
調整が終わったら、プレビューの上部に表示されているサムネイルを右クリックし、キューに追加をクリックします。
キューというのは、処理待ちの待機列のことです。
複数の画像をキューに入れて、あとでまとめて書き出すことができます。
左側のキュータブをクリックすると、キューに追加した画像と出力の場所、ファイル形式を設定する画面が表示されます。
設定をしたら左上にある〇ボタンを押すと、RAW現像を開始します。
以上、かんたんなRAW現像の仕方でした。
カメラ買い替えも検討しましたが、RAW現像だけでもけっこうイケそうです。
追加投資がSDカード代だけでいいので、お安くすむのがよいですね。

