エバーデールを3人対戦とソロプレイを5回ずつプレイしてみたので、感想を書いていきます。
去年のゲームマーケットでコンポーネントのかわいさに一目ぼれした家族が、そっこうで予約していたボードゲーム。
ゲームボードはこんな感じで、めっちゃ可愛い。
たしかにこれは惚れる。
目次
エバーデールのゲーム内容
「エバーデール」はワーカープレイスメントと呼ばれるジャンルのボードゲームです。
アクションのマスにワーカー(労働者コマ)を置くことで、マスに描かれているアクションを実行できます。
アクションは「木材を3個得る」「カード2枚と勝利点トークン1点を得る」などがあります。
基本的に、ゲーム序盤〜中盤は資材を得る系のアクションに置いて資材を集めることになります。
最初はワーカーが2人しかいないのですが、ゲームが進むごとに自動的に増えていきます。(最大6人)
ワーカーの維持費は不要なので、食料が足りなくてカツカツになることはありません。
集めた資材はコストとして払うことで自分の街に建物を建てたり、動物を呼ぶことができます。
建物や動物はカードになっています。
勝利点がついているほか、カードを出した時に資材がもらえたり、アクションスペースとして使えたり、ゲーム終了後にボーナス点になったりといった特殊な効果があります。
さらに建物にはそれぞれ対応する動物がいて、建物に対応する動物は1度だけコスト消費なしで呼ぶことができます。
たとえば「倉庫」を建てておくと、「木彫師」を資材を払わずに自分の街に置けます。
うまくカードコンボさせると、資材を消費せずに建物や動物を出せて資材や勝利点を稼ぐことができます。
最終的に勝利点が1番高かった人が勝ちです。
アクションはボードに描かれている固定のアクション以外に、ゲーム開始時にカードを引いてランダムに決めるアクションが4ヶ所あります。
固定のアクションよりカードでランダムに決めるアクションのほうが効果が強めに設定されているため、「今回はこのアクションが出ているから、こういう戦略(カード)でいこう」みたいにバランスがちょこっと変わります。
エバーデールのソロプレイ
エバーデールはソロプレイ(1人プレイ)にも対応しています。
ソロプレイではラグワートという仮想敵と戦います。
ラグワートは規則に沿ってワーカーを配置し、アクションスペースをふさぎます。
またプレイヤーがカードを出したときに広場にあるカードをランダムで1枚出します。
最終的にラグワートの勝利点以上を取れば勝ちです。
1人だとどうしてもゲーム中にめくられるカード枚数が少なくなり、狙っているカードがゲーム中に出てこないことが多いのでソロプレイはカードの引き運に左右されすぎると感じました。
ソロプレイするならほかのゲームの方が面白いと思います。
↓ソロプレイで盛大に事故った例。
せっかく墓地(捨て山または山札の上から4枚を公開し、1枚をコスト無しで建設)を作ったのに高コストの建物カードが1枚もこなくて使わずじまい。
悲しい。
エバーデールのよかったところ
動物が可愛い
見てのとおり。
動物はネズミとかリスが多くて、げっ歯類派の私は大満足です。(鳥とかカメもいます)
動物カードだけでなく、建物カードの背景にも動物の影がチラっと見えているのもポイント高い。
動物のイラストもマンガっぽくなりすぎず、「リアルだけど可愛い」路線でひじょうによいです。
カードコンボができると気持ちいい
建物/動物カードはカードを出したときに特殊効果があります。
カードごとに相乗効果があり、うまくあわせるとより高い効果を引き出すことができます。
たとえば倉庫(カードを出した時に資材をカードの上に乗せる。あとでアクションするとカード上にある資材がもらえる)→リスの掃除屋(自分の街にある生産系カードを1枚選び、効果を実行する)で倉庫に大量の資材を貯めておいて、あとで一気に資材を回収! とかできます。
先攻・後攻の有利不利があまりない
ワーカープレイスメントでは他プレイヤーがすでに選んだ(ワーカーを置いた)アクションは選べないことが多いです。
そのため、好きなアクションを選べる1番手(スタートプレイヤー)のプレイヤーが有利になります。
(ほかのゲームでは「次のラウンドからスタートプレイヤーになれる」をアクションとして用意しているものもあります)
エバーデールではすでに配置したワーカーの回収タイミングがプレイヤーごとに異なるので、スタートプレイヤーだからといって常に取りたいアクションが取れるわけではありません。
そのため先手有利になる状況はほぼないです。
またエバーデールでは1人しか置けないアクションマスのほかに、何人でもワーカーを置ける共有地というアクションマスがあるので後の手番でもそれほど苦労しません。
最初に遊んだ時は3人プレイで3番手スタートだったのですが、アクションを先の手番の人に取られて困るようなことはあまりなく、のびのびプレイできました。
エバーデールの気になったところ
遊ぶのに場所を取る
中央に置くボードがけっこう大きいうえに、プレイヤーごとに建物/動物カードを15枚置くスペースが必要なため、遊ぶのに広いスペースが必要になります。
140cm×90cmの大きめのこたつテーブルで、3人ぶんがギリギリのるぐらい。
運要素が強め
カードコンボを決めていくのが楽しいと書いたけど、それはコンボできるカードが引けたらの話。
建物/動物カードは1種類につき2〜3枚くらい入っていて、ぜんぶで128枚あります。
このカードとこのカードでコンボしたい! と思って準備していても、カードを引けずに空振るとちょっとガッカリしてしまいます。
128分の3 = 2.3%ですから、なかなかコンボできるカードを揃えるのは難しいです。
比較的揃えやすい旦那/夫人ペアでさえ、128分の4(3.1%)。
厳しい。
ただ3人プレイではゲーム終了までに山札のカードを半分〜3分の2くらい引けるので、自分の狙ったカードがゲーム中に1枚も出てこないというケースは少ないです。(自分で引けるかどうかは、また別の話……)
カードの引き運がけっこうあるなーと思いつつも、なんだかんだで毎ゲーム勝利点が60点~65点前後(運により多少上下する)で65点前後で1位争いするぐらいに落ちついたので、そんなにバランスは悪くないと思います。(3人プレイ時)
カードは自分の手札のほかに場に出ている8枚のカードからも出せるので、初期手札の引きが悪くてもわりとなんとかなります。
ただ自分でいろいろ準備して「計画通り」(ニヤリ)というよりは、人事を尽して天命を待つ(天命がこない場合もある)ゲームなので好みは分れるかも。
個人的にはもうちょっと積極的に勝ちにいけるゲームのほうが好みではあります。
ソロ感が強め
妨害系カードもありますが、他人との関わりは薄めです。
ワーカープレイスメントだとアクションの取りあいが他プレイヤーと干渉する部分ですが、エバーデールはワーカーを置けるアクションマスが多いし欲しい資材がプレイヤーによってまちまちなため、あまりアクションの取り合いになることがありません。
ワーカープレイスメント感も薄く、カツカツ感のあるワーカープレイスメントゲームが好きな人がプレイすると「なんか思っていたのと違う……」となりそう。
ソロ感強めのカードコンボゲーというと、ドミニオンとプレイ感覚が近いです。
ただドミニオンはコンボを決めると「ずっと俺のターン!」といった感じで手番プレイヤー以外はヒマだけど、エバーデールはコンボするにしてもカードを出す(いったん自分の番が終了)→ほかのプレイヤーの番→再び自分の番がきたら別のカードを出すといった風なのでドミニオンほど一方的にはなりません。
個人的にドミニオンはあまり好きじゃないけど、エバーデールはわりと好きです。
おまけ:建設コスト一覧表
建物からの派生は一覧で見れた方が便利だと思ったので、建設コスト一覧表を作りました。
よろしければお使いください。
エバーデールの感想まとめ
狙っているカードがなかなか来なくて「はやく来てくれ……!」というジリジリ感から目的のカードが引けた時の「キター!!」感が楽しいゲーム。
ルールがわかりやすく、説明書もていねいなので長時間プレイが苦にならないなら楽しくプレイできます。
箱に記載のプレイ時間は40〜80分となっていますが、うちでは3人プレイで毎回3時間かかります。(長考しすぎ)
コンボも「このカードとこのカードを組み合わせると強い」というのがわかりやすいので、この手のカードコンボゲーをやったことない人でもプレイしやすいと思います。
逆に普段からバリバリボードゲームをやっている人は2〜3回プレイすると底が見えてしまうと思います。
海外ではすでに拡張セットが発売されているので、拡張セットで建物/動物カードの種類が増えればより楽しめるかと。
拡張セットの日本語版が出たら買いたいな、と思えるぐらいには好きです。