RPGツクールMV

ツクール歴=エターナる歴だった私がはじめてRPGを完成させて学んだこと

「ゲームが好き、自分でもゲームを作ってみたい!」

そう思ってゲーム製作をはじめたものの、完成まで至らず挫折してしまう(エターナる)人は多いようです。

わたしも、そんな人の1人でしたが、ようやくRPGツクールで作った自作ゲーム「ラスダンサバイバル」を公開しました。
ラスダンサバイバル タイトル画面
スーパーファミコン版からツクールをさわりはじめてウン十年、はじめて完成までこぎつけたゲームです。
(RPGアツマールでプレイできます)

試行錯誤しながらだったので、「最初にこうしておけばよかったなぁ」といった反省もありました。

そこで、1度もゲームを完成させられたことのない人が知っておくといいんじゃないかと思ったことをまとめました。

ゲーム製作編

ゲーム完成までにかかった時間

はじめてゲーム製作する時にツライのが、「どのくらい作業すれば完成できるのかがわからない」というのがあります。

作業量を少なく見積もりすぎて、予想以上に時間がかかってモチベーションがさがってしまったり。

参考までに、ゲーム完成までにかかった時間とデータベースの量をのせます。

「ラスダンサバイバル」はプレイ時間1時間くらいの短編です。
それでも、完成までおよそ3ヶ月かかりました。

データ量から見ると、つぎのような感じです。

ダンジョン数 1
5階だてダンジョン1つ(ワールドマップ、街なし)
マップ数 34
ダンジョン用マップ22、EDイベント用マップ12
アクター数 5
職業数 5(キャラごとに固定、転職なし)
スキル数 57
通常スキル32(アクター1人につき約7つ)、敵専用スキル25
アイテム数 39
装備数 25(武器14種、防具11種)
敵キャラ数 18
ステート数 30(メッセージ表示用の効果なしステート含む)
コモンイベント数 76
自作素材
  • プラグイン18個(おもにウィンドウレイアウト調整用)
  • タイトルイラスト・ロゴ
  • 立ち絵9人分(味方5人+敵4人)
  • デフォルト素材改変(色変更、サイズ変更など) 少々
ED数 30(細かいセリフ差分も数えると34)

パーティ人数は何も考えずに、デフォルトの4人パーティで作りはじめました。

でも4人ぶんもスキルを考えるのは、ゲーム製作初心者にはだいぶキツイです。

最初は主人公の1人旅でもいいと思いました。

ED数が多いのはただの趣味です。

マルチエンディングはテキストを考える時間、フラグ管理する手間、デバッグ(動作確認)する時間がかかるので、増やしすぎには注意ですね。

作業の優先度

マップ=データベース>>>(シナリオ)=(システム)>>>>>グラフィック=BGM。

なるべく必要最低限にしぼった方が完成率があがります。

とりあえずマップとデータベースさえあればゲームは完成するので最優先。

シナリオが()になっているのは、シナリオが必要ないゲームも存在するからです。

システムもデフォルトのものをそのまま使うのであれば、特に作業はいりません。

グラフィックやBGMまで作業すると作業量が多くなるので、エターナりがちです。

グラフィックならデフォルト素材の色変更やサイズ変更くらいまでにした方がよいです。

「ラスダンサバイバル」では会話に立ち絵を使用していますが、描くのはもちろん、イベントに組みこむのも手間どりました。
(左右反転を忘れて変な方向を向いて表示されたりとか……)

立ち絵をイベントに組み込むだけで3日かかったのがしんどかったです。

BGMなどの音楽系は、自分に知識がなかったのでフリーの音楽素材サイトからイメージにあった曲をダウンロードして入れるレベルでしたが、サンプルを聞いていくだけでもけっこう時間がかかりました。

戦闘を入れると作業量がめっちゃ増える

戦闘を入れると戦闘に使うスキル、アイテム、レベルアップによる成長曲線……といっきに扱う項目が増えて作業量が一気に増えます。

街で情報収集・謎解きをするようなシティアドベンチャーなど、最初は戦闘なしのゲームを考えてみるのもいいかもしれません。

プロジェクト管理編

毎日5分でもいいから作業する

ゲーム製作は登山のようなもので、歩き続けていればなんてことないことも、1度立ち止まってしまうと、つぎ歩きだすのが大変です。

製作中はパソコンの電源は落とさずにつけっぱなしで、朝起きたらRPGツクールをさわるようにしていました。

わたしの場合、作業途中で風邪を引く→作業中断→モチベーションダウンでエターナる率が高かったです。

なるべく風邪などを引かないように体調管理をしっかりするのも効果的です。

素材リストを作る

ゲーム製作にあたって、ほかの人が作った素材を利用することもあるかと思います。

はじめは無計画に素材を入れてしまい、最後にスタッフロールのクレジットのチェックをするのが大変でした。

プラグイン、画像、音楽素材ごとにファイル名、作者名、配布先URL、規約をまとめた一覧を作っておくと管理が楽になるのでおすすめです。

こちらは途中から作ったプラグインリスト。
自分用なのでゴチャゴチャしてます。
ゲーム製作 素材リスト

スタッフロール用のイベントを先に作っておいて、素材を追加するたびに更新するのもいいです。

イベントの注釈でTODO管理

RPGツクールでは、イベントコマンドの注釈でメモを入れることができます。

ふつうは処理内容のメモを書くことが多いと思いますが、イベントごとにTODO(やることリスト)やイベントの完成状況を入れておくと、なにがどれだけできているのかがわかりやすくなります。

わたしの場合は「セリフ考え中」、「データ決定待ち」、「動作確認待ち」、「完成」などのステータスを書いて管理していました。

分岐でイベントページが多くなるイベントについては、1ページ目に注釈用のページを作りました。

関連する変数やスイッチ、イベントページごとの処理内容をまとめています。
RPGツクール イベント注釈でTODO管理

あえて時の流れに身を任せるのも手

最後に。

これはとくに10代・20代の人にいいたいのだけど、時間が解決してくれることって、とても多いです。

エターナる1番の理由は自己管理の甘さだと思っているのですが、10代の時よりは20代、20代の時よりは30代の方が自己管理能力はあがっています。

なにか特別な努力をしたわけじゃないですが、こうしたマネジメント能力はまじめに仕事していれば自然と身についていくものだと思っています。

歳を取ればスキルがあがっていくので、若いころどうしようもなかった問題が年を取ったら自然と解決してた、という経験はけっこうあるんですよね。

プログラミングは10代の頃に覚えようとして何回も挫折したけど、社会人になってから仕事を通して覚えました。

しかもプログラマでもSEでもなく、事務の仕事という。

今エターナっても10年後、20年後の自分には完成できる可能性もあるので、エターナったからといってあまり落ち込まなくっても大丈夫です。

あえて10年後の自分に任せてみる! というのもひとつの手かもしれません。