ヌイグルミ騎士団と少女の夢1周めをクリアしました。
発売日に買ったというのに、フィギュアのペイントに1ヶ月以上かかってしまったという……。
以前このブログでもレビューした「マイス&ミスティクス」のデザイナーさんの新作です。

1周プレイした感想は、面白いけど問題点も大きいゲームという印象。
ネタバレしない程度にレビューしていきます。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢のゲーム内容
ヌイグルミ騎士団と少女の夢は、ボードゲームとゲームブックをあわせた協力型ゲームです。
ゲームブックというのは、一言でいうなら紙(本)で遊ぶアドベンチャーゲーム。
本の中に状況を描写した文が番号つきで書かれていて、指示された番号の文章を読むことでストーリーを進めていきクリアを目指すゲームです。
たとえば
1 あなたは暗い洞窟の中を歩いている。
その先は道が左右2つに分かれていた。
右の道を進むなら、30番の文章を読む。
左の道を進むなら、11番の文章を読む。
みたいな感じ。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢ではルールブックのほかにストーリーブックというものがあり、見開きで使用します。
本を開いた左側のページがマップに、右側が状況説明の文になっています。
マップによっては、マスにアイコンが描かれている場合があります。
フキダシアイコンのマスでは住人カードを引いてイベントが起きたり、瞳アイコンのマスでは調査という特別な行動をしたりすることができます。
探索の内容によっては、能力判定が発生することも。
基本的に今いるマップを探索して手がかりを探し、次のページ(マップ)に進んでいきます。
移動やアクションにはダイスを使用します。
ダイスの色は赤、青、黄色、緑の4種類+白、黒の2種類。
移動は何色のダイスでもできるけど、筋力判定と近接攻撃は赤いダイスしか使えないなど、ダイスの色によってできるアクションが異なります。
白と黒のダイスは特殊で、白は綿(体力)回復用、黒は敵用のダイスとなっています。
自分の手番にダイス袋からダイスが5個引けるので、なるべくムダがでないように配分していく必要があります。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢のストーリー
ヌイルグミ騎士団と少女の夢のストーリーは全7章。
プレイヤーは小さな女の子の家にあるヌイグルミとなり、夢の中で悪さをする怪物から女の子を守るのが目的です。
ボリュームは意外と多く、フレーバーも含めてテキスト全読みで1章あたり3〜4時間ぐらいかかります。
1章を通しでプレイしようとするとかなり時間がかかるので、2ページずつ進めるなど小分けにプレイした方が楽です。
章の途中で中断するときは大きめのチャック袋をプレイヤー人数分用意し、キャラクターシートと持っているトークンをキャラクターごとに分けて入れておくと再開しやすくなります。
章の最初のページに本編のストーリーとは関係ない寓話風のお話が書いてあり、最後に「あなたはこんな時どうしますか?」みたいな問いかけが書かれていて、教育色を強く感じました。
対象年齢は7歳以上ですが、ストーリーブックは文字が小さい&漢字に読み仮名が振っていないため、小さなお子さんだけでプレイするのは難しいかと思います。
大人の人がお子さんに読み聞かせするタイプ。
すべての章をクリアするのには20時間〜25時間くらい。
どの章も道中のルートが2つあるので、すべて遊び尽すまで40時間くらい遊べそうです。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢のキャラクター
プレイヤーキャラクターは6人ですが、最初にプレイヤーキャラクターとして選べるのはセアドラ、ランピィ、フロップス、スティッチの4人です。
ライオネルとピッグルは3章以降に使用できます。
セアドラ
女の子のお気に入りのヌイグルミで、主人公格のキャラクター。
こんな顔だけど女の子。
特殊能力のバランスがよく、扱いやすい。
ランピィ
青ダイス(抵抗)特化キャラクター。
怖がりで、いつもオドオドしている。
盾役で、特殊能力でほかの人をかばったりダメージを軽減することができる。
フロップス
緑ダイス(敏捷・遠隔攻撃)特化キャラクター。
特殊能力を使えば回避盾にもなれる。
語尾をのばし、お気楽なしゃべり方をするけど意外とツッコミも鋭い。
スティッチ
黄ダイス(知覚)特化キャラクター。
初期メンバーの中では1番古株のヌイグルミで、一人称は「ワシ」
特殊能力で敵の行動をスキップするなど、トリッキーなことができる。
ライオネル
赤ダイス(パワー、近接攻撃)特化キャラクター。
武器がなくても戦える……というか、両手が武器。
ピッグル
紫ダイス(幸運)特化キャラクター。
紫ダイスは、ほかの色のダイスの代わりとして使えるワイルドカードならぬワイルドダイス。
特殊能力は回復、支援系。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢のよかったところ
世界観とアートワークがよい
見た目に惹かれたならコンポーネント眺めているだけで満足できます。
今作は夢の中が舞台ということで、現実にはありえないようなダイナミックな展開もあって楽しかったです。
(物語1のセクション9が好き)
フィギュアが盛りだくさん
フィギュアはプレイヤーキャラクターが6人、ザコ敵が3種類×4体、ボス敵が5体とぜんぶで23体も入っています。


自分でペイントしているので写真ではカラフルになっていますが、本来は未塗装のグレーの状態で入っています。
敵はホラー風でおどろおどろしい感じだけど、マイス&ミスティクスのGみたいなのはいないので虫嫌いの人も安心です。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢の気になったところ
ストーリーブックの構成が練り込み不足
ルール通りに進めても場合によってゲームが進行不能になってしまったり、ストーリー的に必要な情報を聞く前に次のページ(マップ)に進んでしまい、ストーリーがつながらずに意味不明になってしまったりする場合があります。
ハウスルールで回避できるとはいえ、バグと呼べるレベルなので個人的には見過せなかったです。
初見の新鮮な気持ちでプレイできるのは最初の1回だけなので、その1回めでグダグダになると萎えてしまいます。
ルールのガバガバっぷりは、正直いって私の許容範囲を越えていました。
問題点と解決方法をこちらの記事にまとめましたので、これからプレイされる方はよろしければ、参考にしてみてください。
→ヌイグルミ騎士団と少女の夢をプレイする時の注意点
誤字が多い
公式でエラッタが出ていますので、まずは公式ページで確認を。
→【エラッタ】ヌイグルミ騎士団と少女の夢
そして現在公開されているエラッタ以外の誤字も多いです。
正確な数は数えていないけど、1章につき1誤字は見つかる感じ。
ゲーム進行には問題ない表記ミスだし、ストーリー重視じゃなければ誤字があっても気にしないのですが……。
ストーリー重視なゲームで誤字を連発されると引っかかるので、ちゃんとした校閲会社を通して欲しいと思いました。
ストーリーブックは全103Pもあるし、100歩譲ってストーリー的に盛りあがるシーンで誤字がなければ許そうかと思ったのですが、エンディングのページにも誤字があったので、やっぱ気になりました。
ヌイグルミ騎士団と少女の夢感想まとめ
ストーリーや世界観は楽しめた反面、ガバガバすぎるルールから受けたストレスがかなり大きくて素直に楽しかったと言いづらいです。
楽しいけどストレスもたまる、というのが正直な感想。
出るかわからないけど、第2版あたりで直るといいゲームになりそう。
今のクオリティだと、欠点を理解したうえで自分で購入するならいいけど、人にはちょっと勧めづらいです。
あまりRPG系協力ゲームをやったことがない人なら定番のアンドールの伝説や、同じ作者のマイス&ミスティクスの方がおすすめではあります。
ほかの協力型ボードゲームのレビューも書いていますので、よろしければどうぞ。
- 【協力系】アンドールの伝説 基本セット全5章+外伝4つをクリアしたので感想を書く
- 可愛いネズミのRPG系協力型ボードゲーム・マイス&ミスティクス全11章クリア後の感想レビュー
- クトゥルフ系協力型ボードゲーム・エルドリッチホラー全エンシェントワンをクリア後の感想レビュー